【あらすじ】
身代金ゼロ!せしめる金は5億円!
”誰もキズつけない”
第2回『このミス』大賞においてダントツで賞賛を受けた
大賞受賞作がついに文庫化!代理母として生計を立てている良江は、
かつて出産した息子を救うため、ある”犯罪”を企てる。
そして始まる「身代金ゼロ!せしめる金は5億円!」という
前代未聞の誘拐劇!幼児虐待、オンライントレード、ES細胞、
美容整形・・・・・・現代社会の危うさを暴きつつ、一気に読める面白さ。
予想を裏切り続けるノンストップ・誘拐ミステリー、ここに登場。
(amazonより)


【感想】
エンターテイメント色の強いジェットコースター型のお話だった。
テンポよく次々ともちあがる問題とそれに続く起承転結が小気味良く、
紹介文通り「一気に読める面白さ」があったと思う。
湿っぽさのない明るい筆致にも好感。
部分的に暗かったり難しかったりするテーマも盛り込まれているのだけど、
妙に重たくもならずさくっと描かれていて、こういう持ち味の人は好き。

登場人物がまた良かった。
それぞれのキャラの絡みにほんわかさせられてしまったよ。
誘拐グループとして一匹狼、あるいは半端者、
あるいは異端者である彼らが目的のために身を寄せ合って
作り上げた家族のような関係の暖かさは、
よくある感もあるけれど素直に巧いなあと感心。
難を言えば女刑事かな。
単独で見ると素敵な婦警さんなのだけど、
ちょっと浮いてしまったかなあと思った。
警察、誘拐グループ、第三者という三竦みに
したかった狙いはわからないでもないのだけど。
うーん・・・
でもこの辺は人によって判断の別れるところかもしれないね。
多分彼女の活躍をよしとする人もいっぱいいると思う。
ただ、私としては彼女にスポットがあたった結果、
良江さんの影が薄くなってしまったのが残念だった。

万人受けする物語でかつざっくり読めるので、
移動のお供にはお奨めだと思います。
という訳で、母の実家に向かう車中で退屈していた弟に渡したところ、
お返しに、と一冊放られました。
カバーをめくってびっくり。
ジュール・ヴェルヌの『月世界へ行く』て・・・!
近所のコンビニで買い物したら何故かお釣りがユーロだった!みたいな。
思わず初つっこみです。
横で聞いていたお母さんが「お母さんブラッドベリのが好きだなあ」
とか相変わらず流れを無視した発言をしていたけれど、
こちらにはつっこむ気すら起きず。。。
ちなみにその時お母さんが読んでたのは群ようこでした。

あ。今頃気づいたけど初更新か。
あけましておめでとうございます。
今年もよろしあーーーー書いてて何だかどうでもよくなってしまった。
もういいや。うぇっw